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閑古鳥 [M]

 
 揺らり揺らり 泪色の空を舞う
 九十九の彩り 忘れえぬ様
 波らり波らり 堕ち往く晩夏の
 幾億の隔たり もう覗かぬ様

 言の葉紡ぎ出せば 解ける事も容易く想ふ
 此の腕を引き寄せれば また離れ往くことも易く
 信じるものを得られぬ夢は 儚く、また散積もる
 往き詰まる呼吸の拍も 慣れぬ迄 苦々の音
 
 揺らり揺らり 紺青の空を舞う
 九十九の彩り 混ざり合う様
 波らり波らり 迎え来る初秋の
 幾億の散葉 もう泪零さぬ様
 
 易く笑む事、繰り返さぬ 一方ならぬ想い、難く
 彼の空届くなど、そう願う事もなく 侭に生きる迄
 頑なに閉じた瞳を もう一度、光に奉げれば、尚
 代わる代わる過ぎ往く時の中を、漂ふ侭、流れる侭
 
 揺らり揺らり 泪色の空を舞う
 九十九の彩り 忘れえぬ様
 波らり波らり 堕ち往く晩夏の
 幾億の隔たり もう覗かぬ様
 幾億の散葉 もう泪零さぬ様…

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