想像

　
　妄想かもしれんが。

　人の背中に羽が生えるなら、一体何色なんだろう、ってよく考える。
　あの人は水色で、彼女は薄紅色で、とか。
　そもそも人間は有翼種ではないのに、そんな想像をする。
　そして、自分に羽が生えるなら何色なんだろう、とか。
　黒、紫？案外白？それとももう何色とも言えない様な、濁った色だろうか。
　バカみたいな想像。
　きっと羽には、その人の本来の色が反映される、なんても思ってる。
　絵画で見る、天使の羽はいつも白。
　そして堕天使は黒。
　黒は悪を連想させる由縁かなぁ。
　堕天使っても、別に悪い存在じゃないだろうに。
　ただ、上司の方針に従えないと判断して、会社を辞めたようなもんなのに。
　区別をつけたがる、人間の性かぁ。
　アタシもそのひとりだけど。

　特別になりたい。
　人とは違っていたい。
　ずっとそう思ってる証拠に、埋もれている自分は自分じゃないといつも思ってる。
　でも案外自分は誰よりも普通なんだ、って突きつけられているみたい。
　それを消化できないからいつもスパイラルに陥るのかな。
　
　毎日が夢なんだと思ってる。
　醒めない嫌な夢。
　誰も起こしてくれないんだって、勝手に思ってる。

　これが現実だって、誰よりもわかってるはずなのに。

　自分の歩いてきた足跡さえも、不確かで脆い。
　あーーー。いつからこんなに貧弱になったんだろうね。
　脆弱で、みっともなくて、情けない。
　でも他人に指摘されると、尚のこと認めたくなくなる。
　
　八方塞がりかよ。だめじゃん。

　眠れないと余計なことばかり考える癖も、捨ててしまいたいわ。